恋文

この、芥川龍之介の書いたといわれる恋文がすきです。
これを読んで、感動しない者などいないだろう。


***

大正五年八月廿五日朝 一の宮町海岸一宮館にて

文ちゃん。

僕は、まだこの海岸で、本を読んだり原稿を書いたりして 暮らしてゐます。
何時頃 うちへかへるか それはまだ はっきりわかりません。
が、うちへ帰ってからは 文ちゃんに かう云う手紙を書く機会が
なくなると思ひますから 奮発して 一つ長いのを書きます 
ひるまは 仕事をしたり泳いだりしてゐるので、忘れてゐますが
夕方や夜は 東京がこひしくなります。
さうして 早く又 あのあかりの多い にぎやかな通りを歩きたいと思ひます。
しかし、東京がこひしくなると云ふのは、
東京の町がこひしくなるばかりではありません。
東京にゐる人もこひしくなるのです。
さう云う時に 僕は時々 文ちゃんの事を思ひ出します。
文ちゃんを貰ひたいと云ふ事を、僕が兄さんに話してから 何年になるでせう。
(こんな事を 文ちゃんにあげる手紙に書いていいものかどうか知りません)

貰ひたい理由は たった一つあるきりです。
さうして その理由は僕は 文ちゃんが好きだと云ふ事です。
勿論昔から 好きでした。今でも 好きです。その外に何も理由はありません。
僕は 世間の人のやうに結婚と云ふ事と 
いろいろな生活上の便宜と云ふ事とを一つにして考へる事の出来ない人間です。
ですから これだけの理由で 兄さんに 文ちゃんを頂けるなら頂きたいと云ひました。
さうして それは頂くとも頂かないとも 
文ちゃんの考へ一つで きまらなければならないと云ひました。

僕は 今でも 兄さんに話した時の通りな心もちでゐます。
世間では 僕の考へ方を 何と笑つてもかまひません。
世間の人間は いい加減な見合ひと いい加減な身元しらべとで 
造作なく結婚してゐます。僕には それが出来ません。
その出来ない点で 世間より僕の方が 余程高等だとうぬぼれてゐます。

兎に角 僕が文ちゃんを貰ふか貰はないかと云ふ事は
全く文ちゃん次第で きまる事なのです。
僕から云へば 勿論 承知して頂きたいのには違ひありません。
しかし 一分一厘でも 文ちゃんの考へを 無理に 脅かすやうな事があっては 
文ちゃん自身にも 文ちゃんのお母さまやお兄さんにも 僕がすまない事になります。
ですから 文ちゃんは 完く自由に 自分でどっちともきめなければいけません。
万一 後悔するやうな事があっては 大へんです。

僕のやってゐる商売は 今の日本で 一番金にならない商売です。
その上 僕自身も 碌に金はありません。
ですから 生活の程度から云へば 何時までたっても知れたものです。
それから 僕は からだも あたまもあまり上等に出来上がってゐません。
(あたまの方は それでも まだ少しは自信があります。)
うちには 父、母、叔母と、としよりが三人ゐます。それでよければ来て下さい。
僕には 文ちゃん自身の口から かざり気のない返事を聞きたいと思ってゐます。
繰返して書きますが、理由は一つしかありません。
僕は文ちゃんが好きです。それでよければ来て下さい。

この手紙は 人に見せても見せなくても 文ちゃんの自由です。
一の宮は もう秋らしくなりました。
木槿の葉がしぼみかかったり 弘法麦の穂がこげ茶色になったりしてゐるのを見ると
心細い気がします。
僕がここにゐる間に 書く暇と書く気とがあったら もう一度手紙を書いて下さい。
「暇と気とがあったら」です。書かなくってもかまひません。
が 書いて頂ければ 尚 うれしいだらうと思ひます。

これでやめます 皆さまによろしく

芥川龍之介

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# by mimi_1210 | 2010-05-17 21:48

5月突入

4月の寒さもあっという間、5月に突入した途端に暑い陽気が続いてる。
巣穴から這い出す蟻のように、人間もたくさん街に這い出て
活気と春の爽やかな風がその間を吹き抜けている。

春は、そんな人々を見ているだけでも楽しい。
冬の間に縮こまってた物事が大きく背伸びと欠伸をして開花する感じ。
力強い緑色をした木々を見ては生命力を感じ、花々はこれでもかっていう位に輝いてる。
地球はひとつだ。自然も人間も、全部同じ場所で生きている。


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# by mimi_1210 | 2010-05-06 14:33

4月下旬


小さいけどあったかい幸せ。

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# by mimi_1210 | 2010-04-30 23:37

変な報告


結局会わず、話さず。
私が彼に対して誠実な態度を取らなかったから、傷つけてしまいました。
「もう連絡をしないでくれ。メールも削除をする。さようなら&GOOD LUCK」

私が悪い。
でも本心を言ってしまえば、こんな風に最後言葉を残して去っていく男性に私は未練はない。

もしかしたら、彼も私みたいな告白を対処出来ない女はごめんだと思っているかもしれない。

そうしたらお互い様ということでしょう。

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# by mimi_1210 | 2010-04-26 10:21

just let me say this to someone.

好きになれるかどうかは、第一印象にヒントがあるのかもしれない。
私の場合は性格が直感的だから、ひと目みて通じるものがあるかどうか
それでわりと左右されていると思う。

アンソニーのことは考えたところで自分から好きになれるわけではなく
かといって強く「無理だ」と思うわけでもなく、答えを出すのを猶予してもらっていた。

でも、好きでないものは好きでないものなんだということにやっと
頭と心で同時に理解することができて、今は伝える準備ができた。

外国人というのは愛情の表現がストレートで普段そういったアプローチを受けないから
うれしい気持ちはあるんだけれどでも、それに対して断るのが難しいと感じる。
言葉ではっきりと伝えないといけないし、理由も用意していないといけない。
(と私は思ってる)

なんて言えば分かってくれるかな、とまだ考えてるところなんだけど
「友達のままがいい」というのが今のところ思いついてる答え。
理解してくれるだろうか。あっさり「分かったよ」って言ってくれたらうれしいんだけど。

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# by mimi_1210 | 2010-04-22 10:24

代々木八幡


駅近くの、イタリアンっぽいところでご飯を食べた。
時間が経つにつれてお店の灯りがすこしずつ落とされていく感じは、嫌いじゃない。
キャンドルの灯りとむき出しの電球の柔らかい光が居心地良いね。

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# by mimi_1210 | 2010-04-18 11:32

そばかす

そばかす、に憧れていた。

赤毛のアン、長靴下のピッピ。馴染みのある外国の本の主人公にはそばかすのある子が多い。
大抵そばかすの子はおてんばなキャラクター。たくさん遊んでよく太陽を浴びるからかな。

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# by mimi_1210 | 2010-04-16 01:37 | my heart

ロンドン紀行①-ガイドブックを持たずに-


ロンドンでの3週間、よほどの寒さや雨でない限り毎日外に出かけた。
ガイドブックは買わなかった。意図して持たなかったわけではないけどガイドブックと友達になれない気がしたから。あれは、情報が多すぎて何を頼りにすればいいのか分からなくなる。そもそも、知らない地において見たこともない場所や建物を事前に本で確認することは私の旅の本質ではない。情報は必要だし助かる。でもそれは最小限でいいと思う。知らないなら自分で発見して知って行きたい。見た場所が有名か無名かなんて関係ないのではないか。自分がどう感じるかなのでは、と旅を終えた今も改めて思う。

「ガイドブックは持ったほうがいい」「もっとちゃんと調べてから行きましょう」
旅途中や旅後にそんな注意を受けたけど、心の中では「余計なお世話」とずっと思っていた。
誤解されないために補足しておくと、ガイドブックの否定をしてるわけではないんだ。旅前に本屋行って立ち読みすることだってした。あの地には何があるんだろうって気になってインターネットで調べもした。ただガイドブックを通して旅をするのではなく、自分の目で見て感じたり発見したりがむしゃらに適当に行き当たりばったりに現地で時間を過ごしたいと思っていた。そういう意味で私は手元に置かなかった。知らない地を私はずんずんと歩いた。そのときの出会いや感想はまた今度。

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# by mimi_1210 | 2010-04-13 10:32 | London

選ぶ力

最近、レモンの輪切りをお湯にいれて飲むのが好き。
朝も夜もそればっかり飲んでいる。

コーヒーも好きだけど、それと同じくらい水も好き。

話は変わるけど、この2冊の本を一週間前くらいに買いました。
「ヘッセ詩集」と「12星座の恋物語」。時間があったときに本屋にぶらっと立ち寄って、
自分なりに吟味をして選んだもの。

石田衣良さんがテレビで言っていたのが、
「コンビニなんかに行くと新しいお菓子が発売されていても美味しいか美味しくないかはなんとなく
わかるでしょう?それと同じように、本屋も通えば面白いか面白くないかが匂いや見た目で分かる。」

なるほどな、と思いました。
本屋や図書館に行くと膨大な量でぞくぞくしながらも、どれを選ぼう?なんて思うこと
よくあります。それでもいつも適当に本を選んで帰ってくるわけですが。
まだ私にはその面白い本を嗅ぎ付ける能力は足りていないのかな、と。

ちょうどその言葉を聞いたのが上の2冊の本を買った直後だったので、
自分の本選びはどうだったかな、と考えてみたところ今回は大丈夫だったよう。
ちびちびと読み進めていますが本への愛着は出てきています。この「愛着」って本に対しては
大事な感覚だなと個人的には思っているんだよね。

もうひとつ、石田衣良さんの言葉を聞いて思い出したのが姉のこと。
姉は昔から、自動販売機でジュースを選ぶのも図書館で本を選ぶのもとてもうまくて、
特に美味しいジュースを選んだときには「なんでめぐみばっかり!」って思ったものです。
今思えば、姉には小さいころから良いものを選ぶ感覚が備わっていたのだなぁと思います。

なんだか今の私たち姉妹を見ると逆なように見られがちですが、本当のところは
姉はものを見る目があり、私は感じる力がある、ということなんだと思います。

石田さんは、インタビュアーの小林麻耶さんの「私に勧めるのであればどんな本ですか?」
という質問に対して、自身の著書「SEX」をお勧めされていました。彼女に必要なもの、らしいです。
これは石田さんの見る力が発揮された瞬間でした。私もなんとなく共感してしまいましたから。

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# by mimi_1210 | 2010-04-06 11:24 | books

どうして正直になれないのか

どうしてもっと正直に素直になれないのかな、と考える。
結局は、自信がないっていうところにつながるのかな。

好きだけど、好きになっちゃいけないような気持ち。
one of them になるのが嫌で、逆に軽く会話をすることを避けたいと思う気持ち。
そうすると近くに寄れなくて、遠くの方からそっと様子を伺っている。
近づいたらどんどん好きになってしまいそうで怖い。

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# by mimi_1210 | 2010-04-04 19:25 | my heart